【教育】日本の「リーダー教育」では世界に通用しない

思考

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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「死」とは何か。死はかならず、生きている途中にやって来ます。それなのに、死について考えることは「やり残した夏休みの宿題」みたいになっていますよね。死が、自分のなかではっきりかたちになっていないというのも理由にあるのかもしれません。私たちの多くは、そんなふうにして生きています。
しかし、世界の大宗教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教などの一神教はもちろん、仏教、神道、儒教、ヒンドゥー教など、それぞれの宗教は「人間は死んだらどうなるか」についてしっかりした考え方をもっています。
現代の知の達人であり、宗教社会学の第一人者である著者が、各宗教の「死」についての考え方を、鮮やかに説明する『死の講義』は、「この本に、はまってしまった。私たちは『死』を避けることができない。この本を読んで『死後の世界』を学んでおけば、いざというときに相当落ち着けるだろう」(西成活裕氏・東京大学教授)と評されています。今回は、著者の内容を紹介したいと思います。

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ロシア正教の特徴

ウクライナ戦争は、その背景にある、ロシアとウクライナの歴史や宗教を踏まえないと理解できません。

ロシアは、ロシア正教の国。東方教会(ギリシャ正教)の一角を占めます。東方教会が、西側の教会(カトリックやプロテスタント)と違うのは、政治権力と教会とが二人三脚で、一体になっている点です。

そのため東方教会では、宗教改革の起こりようがありません。誰かが教会に反対しようものなら、ただちに政治犯になってしまう。逮捕・処刑されます。良心や信仰の自由がない。人びとの内面を教会と政治権力が監視している、権威主義的な社会になります。

ビザンチン帝国も、その後釜とも言えるロシアも、そうした背景の国なんです。

ロシアとウクライナの認識のズレ

ウクライナはどうでしょう。ウクライナも正教なのですが、14世紀ごろから数百年間、ポーランドに支配されていました。ポーランドはカトリックで、政教分離の原則に従うので、議会政治や良心の自由があります。ウクライナはそうしたポーランドの影響を受け、ロシアと違った歴史的経験をしているのです。

そのあと、ウクライナは、ロシアに組み込まれました。でもウクライナ人は、自分たちはロシアと違う、という意識があります。いっぽうロシアに言わせると、ウクライナはロシアの一部、キエフはロシアのふるさと、ということになります。この食い違いが、ウクライナ戦争のおおもとにあると言えます。

ソ連の崩壊とウクライナの独立

この食い違いは、ソ連時代には伏流していました。

ソ連が崩壊すると、ウクライナが独立することになった。ウクライナは軍需産業の中心地で、核兵器もあった。それが独立したら深刻な脅威になると、ロシアが心配した。

でも西側の国々は、ウクライナの独立を支持したい。そこで関係国で話し合いの結果、核兵器はすべてロシアに移管する、代わりに、ウクライナの安全をイギリスとアメリカが保障する、と約束して話がまとまりました。ロシアはウクライナに手を出すな、です。

ロシアの不満

こうしてウクライナは独立しましたが、ロシアはこれが不満です。ウクライナはロシアの縄張りだ。西側諸国はのさばるな。いっぽうEUやアメリカは、ウクライナをNATOに含めることには、及び腰でした。ウクライナを本気で防衛するまでのつもりがなかった。

このためウクライナの政情は混乱しました。プーチンは手始めに、クリミア半島を占領した。2014年3月のことです。ウクライナ東部にも工作を仕掛け、親ロシアの地方政権を打ち立てた。かつてのヒトラーのようなやり方です。これはまずい。ウクライナ国民の危機感を背景に、はっきり西側を向いたゼレンスキーが大統領として登場してきました。

この間、アメリカは、ウクライナに対する責任感が乏しかった。ロシアに間違ったサインを出してしまった。今回の戦争に関して、アメリカの責任が特に大きいと思います。

アメリカの国際情勢の分析は、しばしばお粗末です。出先の情報機関はそれなりに頑張っている。でも、トップリーダーが状況を把握して、将来を見通す力が弱いのではないかと思う。

これからのリーダー

日本も他人事ではありません。ウクライナ戦争の一連の動きを見ている中国は、台湾にあてはめていろいろ考えているでしょう。中国の見解では、台湾は独立の国家ではなく中国の一部ですから、はるかに正統な理由づけで、通常戦力による戦争を起こすことができます。

中国が台湾に進攻すると、アメリカとの戦争になります。中国とアメリカが戦争すると、勝敗の予測がつきません。アメリカが圧倒される可能性もあります。加えて、沖縄の嘉手納基地やグアム島なども戦域になります。周辺事態法や日米安保条約によって、日本も戦争の当事者になります。

以上は火を見るより明らか。日本もこれを想定して準備をしなければなりません。でも日本には戦争や核に対するアレルギーがあって、そちらに頭が回らない。

みんなの関心と言えば、戦争になったら、経済にどういう影響があるのか、わが社はだいじょうぶか、というレヴェルです。まったく情けないことです。

日本は、将来を担うリーダーをちゃんと育成しなければなりません。その基礎のひとつが宗教。そして、哲学や社会システム論も踏まえて、世界の骨格を理解することです。そういう教育こそが、これからの重要課題なのです。

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