物価高や人材不足で日本経済の未来には暗雲が垂れ込めています。しかし、岸田総理は「検討士」の力を遺憾無く発揮し、明確な経済政策を打ち出せていません。「これが経済重視の宏池会の実力かい?」財界の重鎮たちも堪忍袋の緒が切れそうです。
抽象論ばかりで具体性はなし
岸田政権はいわばブレーキを踏みながらエンジンをふかしているようなもの。これでは経済改革は一向に進みません。すき家などを展開するゼンショー創業者の小川賢太郎氏は、岸田政権のスピード感の無さに不満をぶちまけます。
「なにもかもがのろい。同じことをやったとしても、迅速に動けば効果は大きくなるんです。例えば円安など為替問題でも、アナウンスはタイムリーにやらないと意味がない。
危機の時代には迅速かつ的確に政策決定をしなければならないのに、出てくるのは新しい資本主義とか資産所得倍増とか抽象論ばかり。
本来、政策は具体的でなければいけない。金利もそうだし、賃金問題についても、企業にお願いするだけでなく、『何パーセントくらい上げろ』と、明確な線を示さないと誰も従いません」
リーダーを生まない日本の構造
賃上げにしても、少子化対策にしても、大切な政策であることは間違いありません。重要なのは、それを具体的に実行するための強い信念とリーダーシップだと思うのです。この点において岸田氏はかなり頼りなく見えます。
YouTube等に出演する自民党議員が岸田総理について尋ねられると「よくやっている」「決断力がある人」などコメントしている人も見いますが、私たち国民には全く響いていないのは確かでしょう。
そもそも歴史から見て行くと明治以来、欧米に追い付け追い越せでやってきたときは官僚主導でよかったわけです。でもそんな時代は’90年前後のバブル崩壊で終わっています。日本は世界のなかで独自の役割を探し、進む道を決めなくてはいけないのですが、それらを導く官僚型ではない、強いリーダーが不足しております。
そのためには教育から改革していかないといけないのでしょう。例えば東大はリーダーではなく官僚=サーバントの養成所。これをリーダー養成機関に変身させなければいけません。今の東大は与えられた問題や参考書を暗記するのは得意ですが、自発的に主体的に問題解決するような場所にはなっていません。
岸田総理も『首相になったからには必ずこれをやりとげる』という気持ちがあるはずですが、いまひとつ腹をくくれていないという印象が拭えません。自分の見えている世界で物事を判断してはいけないのかもしれませんが、もし発揮できているのなら今まさに生活の首を締めている物価高は少し緩和しているのではないでしょうか。それが出来ていないので、何も出来ていないのだろうと予想します。
そもそも政治が家業のようになっている人も多いですよね。実際、息子に地盤を引き継ぐとか、次の選挙のことばかり考えている政治家だらけに見えます。
問題の一つは、二大政党制を目指して導入された小選挙区制にあるかもしれません。一国の首相になっていろいろな政策実現を目指しても、いざとなると支持基盤への配慮から支援者や官僚の意見を聞かざるをえない。小選挙区制だと地元の声ばかり大きくなるので、これでは国政の場でリーダーシップを発揮するのは難しいのかもしれませんね。
学校でも一緒です。
目に見えない「同調圧力」が、自然と教育の現場で培われてしまっているのです。「みんながこうしているから」なんてセリフ、言ったことも聞いたこともあるでしょう。どうしても「集団行動」を重んじる国民性からは逃れられないのかもしれません。
周りと違うことをやると、周りからは変な目で見られます。すると萎縮してしまい、みんな「良い子ちゃん」となり、向上心ができない「安定思考」で、周りがなんとかやってくれるだろうという「他力本願」な人間になってしまうのです。
グランドデザインを描こう
岸田総理はもしかしたら良い人なのかもしれません。しかし良い人が優秀というわけではありません。
もしかしたら岸田総理には「何年後に日本をこうする」というグランドデザインが全く描かれていないのかもしれません。
例えば会社経営ではまずリーダーが方針を決め、決まったことは優先順位をつけて実行に移します。担当者が難しいと言えば、できない理由を聞いてあきらめるのではなく、なぜそれが難しいのか、一つ一つの原因を解明して、必要な方策を示していくのです。そうやって道筋を決めていくのはリーダーの役割です。
皆さんも「将来何になりたい」という夢を抱いている人が中にはいることでしょう。
その夢に向かって自身のグランドデザインを描き、人生のマイルストーンは出来上がっているでしょうか。
例えばプロバスケットボールプレイヤーになりたいとしましょう。
当然練習は頑張るかもしれませんが、それだけでは不十分です。
給料はどれくらいなのか、トライアウトはどうなっているのか、チームのHPはどうなっているのか、など自分がプロになるため、そしてなった後のことまで考えなければならないのです。
プロになりたいからバスケのゲーム頑張ろうと、全く違った視点から考えてしまわないよう注意は必要です。
「何とかなるだろう」という甘い考えでは間違いなく躓いてしまいます。
マラソンはゴールがあるから頑張れるわけです。いつまで経ってもゴールが見えないマラソンは疲れちゃいますし、永遠に走る続けることなんて誰にもできません。
頭の中で全体構造を描き、それらを逆算して行動していく、これが成功の近道でしょう。
道中思いがけないトラブルは付き物ですが、それらをまた計画的に対処していけばいいだけなのです。
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