日本の国際競争力が年々低下しています。
国際経営開発研究所 (IMD) が発表する「世界競争力ランキング2021」によれば、日本は31位でした。
研究者と政策決定者とのコミュニケーションがしっかり取られていない結果だと言われていますよね。
「企業の意思決定の迅速性」「国際基準から見た中小企業の効率性」「管理職の国際経験」は64カ国・地域でなんと最下位。
さらに「ビッグデータ分析の意思決定への活用」「起業家精神」は63位、「機会と脅威への素早い対応」「デジタル人材の利用可能度」が62位など、重要な項目が軒並み最下位グループとなっているのです。
ここには日本の教育にも大きな問題があると言われています。今日はその点についてご紹介していきます。
「先生の言うことを聞きなさい」が生んだ問題
昭和の時代、子どもたちは教科書や先生の言ったとおりにやっていると、言われたことをきちんとこなす社会人として生活ができました。 当時は工場の単純作業を仕事が多くあって、流れ作業で同じことを毎日繰り返す忍耐強さが必要とされていたのが背景にあるのでしょう。 同じことを繰り返すことで、多くの商品が作られて安く提供できるので、多くの人が買ってくれて、給料がもらえるという時代でした。
それが平成の時代になると、海運コストが安くなったこともあり、日本人が日本の工場でライン工として働いて商品を生産するよりも、東南アジアや中国で生産して輸入したほうが商品を安く提供できる時代になりました。いわゆる、グローバル化です。
日本人だと月給20万円を支払わないといけない労働も、それらの国では月給3万円なので、人件費で太刀打ちできなくなりました。 100円ショップで売られている多くの商品が日本製ではないように、商品の生産を海外に発注して日本で売ったほうが儲かる時代になり、大量生産される製品は日本メーカーであっても海外生産という商品が増えてきたわけです。
令和の時代を戦えない日本の教育
『ユニクロ』は山口県の会社ですが、自社工場をほとんど持っていません。日本でデザインや品質を決めて、生産はほかの国というシステムにしたことで大躍進しました。
これは日本企業だけではなく、アメリカのアップル社もアメリカでiPhoneのデザインや設計や品質を決めて、生産は台湾や中国やインドで行っています。そんな時代ですから、日本の学校でやっているような毎日同じことを繰り返す授業を受けて育まれる能力は、今の日本やアメリカの会社では役に立ちません。
もちろん忍耐力は身につくかもしれません。しかし、まったく興味のないことを無理にやらされても好きでやっている人には敵わないですし、そもそもそういった忍耐力だけあればできる仕事は、東南アジアの人たちとの過当競争に巻き込まれてしまいます。加えて人件費で海外の安価な労働力と勝負をするだけでなく、技術革新による機械化やオートメーション化、DX化やAIといった人間以外の技術ともコストで勝負しなければいけなくなり、なかなか大変な状況になるでしょう。
そもそも子どもへの教育とは将来、社会人として楽しく暮らすために必要な能力を育むものです。なので、その時代に合わせた教育が必要。昭和の時代に必要な教育と令和の時代に必要な教育は違うわけです。
今でこそ主体性とか何とか言われ始めましたが、未だに古臭いことしか言わない学校の先生や、頭のおかしな人が多い学校でなかなかこれからの時代を生きる子どもは出てこないかもしれません。。。
「安い」だけでは商品が売れない時代に必要な能力
令和の時代は「安い」だけでは商品が売れない時代です。人が欲しがるものを見つけ、いち早く安く製品化するセンスと行動力が必要です。 実際に『アイリスオーヤマ』というメーカーは、中国にいる約15人の日本人従業員が約4000人の中国人従業員を統率し、臨機応変に商品を作るという形で業績を伸ばしています。
しかし、教育現場の実情は頭の固い人たちが時代の変化もわからずに、未だに昭和の教育を引きずっています。これでは、社会に出て必要な能力が身につくはずもありません。
子どもの将来を考えるのであれば、親は学校以外の場所で社会に出てから本当に必要な力を身につけさせることを考えたほうがいいと思います。
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