【子育て論】「読解力」を身につける幼少期から親ができるシンプルな習慣づけ

子育て

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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国際的にもその低下が著しいと危惧されている「読解力」。これらを身につけるためには早くからの取り組みが大事とされています。
皆さんは長い文章を見た瞬間に、「だるいなあ」と諦めてしまうタイプですか?
「何を書いているか全く分からない」タイプですか?
それらは「家庭でできるシンプルな習慣づけ」で国語力を伸ばしていくことができるのです。
今日はそれを紹介していきたいと思います。

「ごっこ読み」

「取り組み」と言ってもあまり堅苦しく考える必要はありません。
力がついたとはっきりわかるまで時間のかかるものだからこそ、楽しく無理なくつづけられることが大事です。
「ごっこ読み」はそのための最適の方法です。

なにも難しいことはありません。今日からすぐにはじめられます。

「ごっこ読み」というのは、簡単に言えば、〈物語を台本のようにして読みあう〉という読み方です。
物語の登場人物ごとに、誰が読むかを決めて音読をします。

自分一人で好きなものを読んでいるだけでは、実はそれほど読解力はつきません。
そのため読み聞かせが大切だということは前にもお伝えしましたが、
そこから一歩前へ出て、親子で一緒に読み合うようにするのが「ごっこ読み」です。

はじめは、主人公のセリフだけをお子さんに読んでもらうようにするのがよいでしょう。
他の部分はすべて読んであげます。つまり、読み聞かせのうちで、主人公の部分だけをお子さんが読むようにする、ということです。

こうすることで、他の人が話している部分にきちんと集中して聴く「聴解力」が育つとともに、主人公のセリフを自分で読むため、そこにより深い感情移入ができるようになります。

「ごっこ読み」は、一度読んで終わりではありません。一冊の本で二度、三度と楽しめます。役柄を取り換えるとより良くなります。

たとえば、新美南吉の有名な『手袋を買いに』という母子のきつねが出てくる物語があります。はじめは子ぎつねのせりふだけをお子さんに読んでもらうとして、一度読み終わったら、今度は交代してお母さんぎつねのせりふを読んでもらうのです。

主人公への感情移入は、たいていそれほど難しいことではありません。物語はそもそも読者にそう促すように書かれていることが多いからです。ですが、主人公以外の登場人物たちにも内面があります。それを想像し、感情移入していくには少なからず知的な努力が必要です。

最近のニュースで聞きましたが、客商売のお店で、新入社員に小中学生の国語のドリルをやらせるという新人研修があるそうです。お客さんの立場になってものを考えられるようにするため、ということでした。あたりまえですが、他人の気持ちになって考えるということは、生きていく上でなにより大事な力です。国語の読解力というのはそういう生きる力の基礎でもあります。

『手袋を買いに』に戻れば、お母さんぎつねが買い物に出た子ぎつねをどんな気持ちで待っていたのかを考えつつ、感情をこめてそのセリフを読めるようになれば、「親の心、子知らず」といったことも少しは解消されるかもしれません。

さらに三度目は、地の文を読んでもらうなど、すべてのパートを読んでもらうまで何度も一つの話を読み返すようにしましょう。一人で最初から全部読んでしまうと、なかなか同じ本を繰り返し読むのが面倒だと思ってしまいがちですが、このように読むパートを変えていくことで、飽きずに繰り返し読む、スロウリーディングができます。

ここまででおわかりのように、「ごっこ読み」は説明文には向きません。あくまで物語・小説向けの読み方です。ですが、マンガにも使えます。文字ばかりの本を見て、そこに感情をこめて話すのが難しいようでしたら、まず絵が多い絵本やマンガを用いると、登場人物の表情などから、感情移入が楽にできるようになります。

たとえば、『ドラえもん』が好きなら、まずアニメを見て、その口調や雰囲気を真似してマンガのセリフを読み合ってみる、というのもよいでしょう。「似てるー」「似てなーい」と言いあう楽しみも生まれるでしょう。

もちろん、似せることが目標ではありません。ドラえもんの声も、大山のぶ代さんから水田わさびさんになってトーンが高くなりましたが、初代は男性のもっと野太い声でした。いろんな読み方があってかまいませんが、生き生きと読めるかどうかが鍵です。

マンガなら一人で読ませておけばいい、というのは間違いです。実はマンガは、多くの場合、絵に頼りすぎて文字を読み飛ばしてしまっています。もちろん絵の迫力に乗っかるそのスピード感が楽しいところもありますが、読解力をつけるという点では、一文字もおろそかにせずに読むことが大事です。

セリフの一つひとつだけでなく、擬音の描き文字なども、どう読めばリアルなのかを想像しながら読むことで、読解力を高めることができます。

マンガよりアニメを好むお子さんが多いかもしれませんが、こうやって自分で想像を働かせながら自由に読める喜びはマンガのほうにあります。そしてさらには文字だけの小説のほうが、より自分の想像の幅を広げることができます。こうした喜びに達する手助けとなるのが「ごっこ読み」なのです。

「ごっこ読み」のコツ

・親も楽しむ

最大のポイントです。つまらなそうに読むくらいなら、やらないほうがよいと思います。お子さんが楽しんで読めるようになるために、その他の部分も自分が楽しんで読むようにしましょう。

・役になりきる

「楽しむ」ためにも必要です。声色を変える、強めに抑揚をつけるなどして、声だけでどの役を読んでいるのかがわかるようにしてください。お子さんも自然にそういう読み方をするようになるでしょう。

・役を交代する

普通に読むと、主人公の視点だけに偏りがちになりますが、役を交代することで、他の人物たちの気持ちにも寄り添えるようになります。他者の立場に立ってものを考えるのは、狭い意味での読解力だけでなく、生きていく上で非常に大切な力となります。

・マンガや絵本から文字だけの本へ

はじめは絵をたよりにイメージを摑むのでかまいませんが、少しずつ文字だけで登場人物の気持ちを推し測れるようにしていきたいものです。

「ごっこ読み」は、お子さんが読む楽しさに目覚める第一歩となります。どうぞ一緒に楽しんで本を読んでください。

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