自分の我が子に対して、「良い子に育ってほしい」と思うのは自然なことですよね。
しかし、子供に過度な期待をしたり、自身の想像する「いい子」を押し付けてしまうのは、近年問題となりつつある「いい子症候群」を招く危険性があります。
とはいえ、「いい子症候群」について詳細を把握されていない親御さんも多いです。
今日はその良い子症候群の特徴、親が気をつけるべきことを、教育の現場で働いている私の視点からお伝えしていきたいと思います。
「良い子症候群」の特徴
私が普段学生と接していて感じるのは「良い子症候群」にあたる子はとにかく手がかからない、どんなことも言われたらすぐこなすし、間違ったことをすることがほとんどない、周りから見るとよく教育された子になるのかもしれません。
しかしどこかいつも自信がない様子をしています。
恐らく「親や他人の顔色を伺いすぎる」生き方をしていたのでしょう。
いい子症候群の子供の場合、両親や他人が自分をどう思っているか、何を考えているのかが大変重要で、両親や他人の顔色をつい伺いすぎてしまうのです。
また、自分自身で考えて積極的に発言をするよりも、両親の意見が重要となるので言動が受け身になりがちです。
さらに、自分で考え発言・行動するのが少ないことから、自分で選択するのが苦手になったり両親からの指示がないと不安になったりします。
「良い子症候群」が与える悪影響
いい子症候群になった子供は、日頃から蓄積していたストレスが爆発して、学校や日常生活の中で問題・トラブルを起こす恐れがあるのではないかと考えます。
また両親の見えていない場所で発散している事も多いため、気づけていない可能性も十分予想されます。
ここからは、いい子症候群が与える悪影響について2つの事柄を解説します。
いい子症候群の子供にとっては、両親や他人からの期待に応えること、認めてもらうことが重要となります。
そのため、自分では自身を認めることが難しいです。
また、両親の期待に上手く応えられず失敗してしまうと酷く落ち込む傾向にもあります。
周囲の期待に応えること、認めることを重視するあまり、周りに「いい人」と思われるように接していきます。
その結果、目上の人には特に良い顔をしますが、自身よりも低い立場であると認識した相手には態度が悪く雑になる傾向にあります。
親が気をつけるべきこと
親は子どものことをきちんと見るべきだとか、こういう風に育てるべきだとか、“親はこうあるべきだ”という縛りを自分にかけてる可能性はありませんか。もしかすると、いい親を演じようとしているだけということがあります。みんな人生は1回しかないから失敗はしちゃいけないし、子どもにも失敗はさせたくないと思ってしまいがちです。でも、『やり直しは何度でもできる』ぐらいの余裕を少しぐらい持っていないと子育ては苦しいものですよね。
疲れたときは手を抜いていいんですよ。例えば、毎日お弁当持ってかなくちゃいけないなら、たまに冷凍ものを入れても良いだろうし、無理してキャラ弁にしなくていい。あんなもん親の自己満足でやってるだけ、食べれればいいんです。そんなキャラ弁に劣等感を感じさせてしまう教育の仕方が間違いです。あとは夕飯を出前にしたっていい。親御さんが『がんばらないと』と常に気を張り詰めていると子どもも気を抜けないし、ちょっとぐらい隙のある親御さんのほうが子どもも弱みを見せやすいかもしれませんよ。
テストの点数が悪かったとしても「結果うんぬんより一生懸命勉強を頑張ったことを褒めて」あげてみてください。
「良い子じゃなくても愛してもらえる」と考えるキッカケになると思います。
例えば、いい子症候群の子が苦手な傾向にある図工でも『上手な絵だね』と伝えるよりも『色を工夫したね』と伝えるなど過程や姿勢を褒めてあげたほうがいいですね。
また、言葉で伝えるのが苦手ならハグでもいいですよ。小学生でも男の子は恥ずかしがりますが、でも後ろからそっと抱きしめてあげると口では『やだよ』と言いながらも親の愛情に包まれた気持ちになります。
大切なのは、子どもの言動ではなく、存在してくれていることが愛情に値する事を伝え続けることです。
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