【子育て論】子のいじめ 親がすべき『神対応』

子育て

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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いじめは突然やってきます。

しかし親が「わが子がいじめられている」という事実に気付くのは、いじめ開始日からはかなり経った後です。

いじめというものは哀しいことに、親には「わが子の堤防決壊」の瞬間までは分からないものです。

文部科学省の調査では、特に小学校低学年によるいじめが群を抜いています。いじめのピークは小学校2年生と言われており、近年ではインターネット上でのいじめが毎年増加しているようです。

いじめを受けているサインとしては食欲がなくなる、元気がなくなる、朝、起きられないなどもありますが、大抵は心の悲鳴に体が追いついたとき、すなわち、体が学校に行くことを拒否したときにようやく親は気付くことができるくらいです。我慢に我慢を重ねる子どもたちも多いので、その「堤防決壊」の瞬間が自死という最悪のケースもありえると思います。

ここで親は焦りまくり、しばしばパニックに陥り、事態を余計悪化させる事例も散見されます。ここでは、その「とてもじゃないが容認できない事態」が起こったときの親の対応策を紹介していきたいと思います。

子どもの安全地帯を確保

何より優先させるべきことがこれだと思います。

わが子を詰問することよりも先にこれをやらなければならないことでしょう。

これには、ふたつのやるべきポイントがあると考えます。まずひとつめが「体の居場所」を確保すること。

わが子に安全なところにいる権利があるということを伝えることです。家庭内でも良いし、保健室でも良いし、習い事の空間でも良いし、とにかく安心安全だと本人が思える居場所を確保することが先決になります。

これを「逃げ」だと言う人がよくでますが、「いじめ」はある意味、戦争だと思うのです。

形勢不利な場合、一時撤退はセオリー。安全を確保した上で戦術を練り直すのは当然であるでしょう。

難関中高一貫校に子どもを行かせている親がよく「せっかく入ったのに、被害者が学校を休まないといけないのか!」と怒ったりしますが、事態は急を要するのです。大体「ここにしかない幸せ」は大した幸せではない。捨てる、逃げる、上等です。

次に「こころの居場所」の確保です。早急かつ速やかにわが子の自尊心のチャージをしなければならないのです。

それには親はわが子と「今日が今生の日」という思いで向き合う必要があると思うのです。

まず、わが子を褒めましょう。加害者ではなく被害者であってくれたということを褒める。我慢をしてきたことを褒める。親にカミングアウトした勇気を褒める(これは親が思う以上にすごい勇気である)。同時に、SOSを出すことは誰にとっても恥ではなく、必要なことだと伝え、親としては子どもからのSOSは信頼の証で嬉しい旨を表明しましょう。

そして、わが子に「君は何も悪くない」と伝えることも大切です。さらにわが子に「誇りに思わせてくれてありがとう」と言えたならば完璧です。あなたの子どもがいじめる側ではなかったという事実はあなたの子育てが間違っていなかったという証拠だからです。

まずは親もここで自分の家庭に自信を持ちましょう。

被害者根性に囚われるな

いじめは交通事故に似ている部分もあります。誰にでも起こりうる問題であることがひとつと、示談などが成立して、その事故のお裁きが確定したとしても、被害者には後遺症が残ることもあるという点でもそうです。

被害者の傷は一生ものになりかねないことを理解しながらも、この経験を決して無駄にはしないという決意を胸に秘めることをお勧めしたいところです。

それには戦略が必要になるのですが、とりあえずやるべきことは「今日、起きている問題が明日、続かない」。これに尽きます。

しかし、被害者の立場を前面に押し出すと事態は間違いなく悪化してしまいます。

被害者の親には自分の家庭だけが苦しむのは理不尽だという思いと、可愛いわが子の敵を討ちたい、罰を与え、仕返しをしてやりたい、この悔しさをどうにか晴らしたいという思いが交錯します。

いきなり弁護士が登場するケースも沢山あると言われています。
思いをストレートに加害者側にぶつけても、誠意をもって謝罪する親は稀で、大抵は態度を硬化させるだけになるだろうでしょう。加害者の懲罰を願うのは後でいいのです。よその家庭の子育てにまで今は責任を持つ必要はないのです。まずは目の前のことに集中して、わが子のことだけを考えましょう。

教師を敵に回さない

いじめ相談を利用することも1つの手段ですが、戦術ミスを重ねたために学校を敵に回し、泥沼化を招く親が出てくる場合もあります。

泥沼化した後では対応に苦慮しがちになるので、初動がとても大切になります。それには学校側の立場を把握しておく必要があります。被害者側からは理不尽に映るかもしれませんが、学校というところは警察でもなければ、裁判所でもないのです。つまり、どちらかに加担するということはしないのです。
学校から見れば、被害者も加害者も同じ可愛い生徒です。学校はどの子にも平等に接する義務があります。さらに言うと、どちらかと言えば加害者の方に手厚く感じることの方が多いかもしれません。なぜなら、弱い方の生徒を黙らせることの方が簡単だからです。

ここに憤って、被害者根性を前面に出して教師を責めると学校は簡単に敵に回ってしまいます。そもそも被害者親は学校から歓迎されない存在であるということを肝に銘じることからのスタートになるのです。

最小限の傷で済むことを望むならば、加害者と学校を責めるのではなく、みんなで良い方向に向かいたい、そのために自分(親)に何ができるのかを教えてほしい、できることは何でも協力したいと申し出ることが大切になります。

そこで、ようやく「話ができる親」ということで、学校との交渉権を得ることができるのです。ここを間違ってはいけません。

落としどころを考えた交渉術

学校とはできるだけ冷静に、かつ具体的に交渉することが肝要です。学校はピラミッド社会なので、いきなりトップに直談判するよりも、段階を踏んで行った方が余計な恨みつらみを買わずに済みます。

(1)まずは双方の話を聞き、第三者の話を聞くという事情聴取を要望。
(2)担任だけが抱え込まずに、学年団、あるいは生活指導部なども合同で、開かれた環境で対応策が練られることを要望。
(3)クラスの問題か、学年の問題か、学校全体の問題かも検討してほしい旨を要望。これらをフィードバックしてもらうことを確認。
(4)加害者の謝罪も含めたペナルティ、そして肝心なわが子への具体的フォローの実施方法。今後、イジメが起きないために実行してもらえる方策(例えば、クラスを離すなど)について、こちらの要望を出しておく。

必ずしも思いどおりにはならないかもしれませんが、こちらの要望を伝えることは必須です。
そして、何らかのアクションがあったならば、それに対してお礼の気持ちを誠心誠意、学校側に伝えることがかなり大事になります。

どうなろうとも被害者側の傷は癒えない。癒えないけど、どの要望が通ったならば、振り上げた拳を下ろすかという心づもりはしておかねばならないのです。

要望を出すときは同時に「落としどころ」を考えておくことも親の責務です。

元を取る

いじめを受けた者の傷は一生癒えません。子どもは多分、このことを一生、引きずるでしょう。
しかし、あなたのお子さんはその時に大人がどう動いたのかを見ています。大人たちは信頼できると思えるかどうかで、その子の伸び方が違ってくるのです。

イジメを受けたならば、人としてどう生きることが良いのかを学ぶチャンスだと方針転換をした方がいいのです。

親は「この経験を絶対に無駄にしない」という決意を持って、今ではなく「10年後、笑う」という気持ちで対峙しましょう。かなり苦しい戦いにはなるかもしれませんが、明けない夜はないのです。

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