以前、私は褒めて伸ばすのは危険かも?という記事を記載しました。
こちらでは褒めることそのものを否定したわけではなく、褒めた方を気をつけましょうというお話でした。
皆さん、自分のほめ方・叱り方に自信ありますか?
ひょっとして日ごろ、以下のような声がけをしてないでしょうか。
「すごいね!」「よくできたね!」
「さすが〇〇くん(ちゃん)!」
「ダメじゃない!」
「早くしなさい!」
私はほぼ毎日このセリフを言っているのですが、なんとこれらの思わず口にしてしまう言葉こそがダメな声がけなのだそうです。子育てって難しい。。。
モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育の研究者で、オックスフォード児童発達学博士である著者、島村華子氏は以下のように述べています。
「間違ったほめ方・叱り方をすると、子どもの自己肯定感を下げ、自主性を奪ってしまいます」
子どもを伸ばしたいと思って言ってしまう言葉が、子どもの自信と自主性を奪う原因になるなんて悲しいですよね。
そこで今回は島村華子氏の著書『自分でできる子に育つほめ方叱り方』から、具体例をまじえてほめ方・叱り方のコツをお伝えしていきたいと思います。
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子どもが自立するほめ方の考え方と具体例
子どもが自立する良いほめ方と悪いほめ方
『自分でできる子に育つほめ方叱り方』によると、ほめ方には以下3種類があるそうです。
すごいね!」「上手!」など、具体性に欠ける表面的なほめ方
(2)人中心ほめ
「優しいね」「頭がいいね」など、性格・能力・外見など表面上の特徴をほめる。
(3)プロセスほめ
「がんばってやりとげたね」「いろんな方法を試してみたんだね」など、努力・過程・試行錯誤したことをほめる
この中で、親が最もすべき褒め方は(3)プロセスほめ、だそうです。
「おざなりほめ」や「人中心ほめ」をすると、子どもがほめられ依存症になったり、チャレンジ精神を失ったりするという研究結果が出ているそうです。
ほめるときは、「プロセス中心に」「具体的に」「がんばった点を質問する」ことが大切なのだそうです。
具体的に紹介していきましょう。
・友達に親切できたとき
× 優しい子だね
〇 友達が元気になるように笑わせてあげたんだね
発表会などがうまくいったとき
× すごくよかったよ!
〇 毎日練習していたもんね。
〇 △△のところがダイナミックで引き込まれたよ
などなど。
これ親も頭悪かったら褒められない褒め方なので、親の皆さんも言葉の引き出し増やしていきましょうね。
子どもが自立するしかり方の考え方
上手にほめるより、上手に叱る方がいっそう難しいそうです。
叱るときに気をつけるポイントは4つ。
否定的な言葉をはじめに言われてしまうと、言われた側は戦闘モードに入り、話を聞いてくれません。
子どもの気持ちによりそい、「〇〇がしたかったんだね」という声がけから始めましょう
(2)プロセスに目を向ける
ほめる時と同様で、人格や能力を否定してはいけません。
過程や方法に注目して、「次はどうやったらいいと思う?」とネガティブにならず客観的にコメントします。
(3)なぜやってはいけないのか、理由を説明する
ただ行動を「ダメ」と罰しても、子どもには何がダメなのかわかりません。
「いちいち理由を説明しなくてもわかってくれるだろう」と説明しないと、大切なことが伝わらないまま大きくなってしまうことがあります。
繰り返し説明することで、自分の行動と結果の因果関係に気づき、相手を思いやる気持ちが育まれます。
(4)親の気持ちを「アイメッセージ」で伝える
「〇〇しなさい!」ではなく「私(親)はこうしてくれると安心するな」と、「私」を主語にして伝える方法を「アイメッセージ」といいます。
「私はこう感じる」と伝えると批判的に聞こえないので、反発されずに親の気持ちを伝えることができます。
では具体的に…
・なかなか勉強をしないとき
× ゲームばかりしないで、早く勉強しなさい!
〇 明日の学校に間に合うのか、ママは心配になっちゃうな。
・門限を守らないとき
× どうしていつも約束を守れないの!
〇 今回は門限を守れなかったね。どうしたら守れると思う?
まとめ
子どもが自立するほめ方・叱り方の方法、いかがでしたか?
「以前から気をつけていた」という方も、「あまり考えずにほめていた(叱っていた)」という方もいらっしゃると思います。
急に変えることは難しいかもしれませんが、反射的に「すごいね」「ダメ!」と言うのではなく、一旦考えて子どもの自立心を育む声がけをしていきたいものですね。
良好な親子関係を築くために、子どもの心に寄り添うほめ方・叱り方を気をつけて取り入れていきましょう。
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