・子どもが、何も言わなくても宿題をするように変えたい
・部下の仕事が遅いので、意識を変えたい
・チームメイトに集中して練習をやらせたい
こういった他人を変えたいを思うこと、結構あると思います。そんなことは可能なのか、ここで説明していきましょう。
他人の行動や性格を変えるのは、非常に難しいことです。本人が「問題意識」を持たない限り、不可能なことです。
本人が「変わりたいと思わない」場合、本人の意思に反して、性格を変えられるとしたら、それは「洗脳」です。
あなたは、部下やパートナーや子どもを洗脳したいのでしょうか。
「他人の課題」と「自分の課題」
結論を言うと「他人を変えることはできない」です。変えられないものを変えようとすると、ものすごいストレスを受けます。1トンの巨大な石を一生懸命動かそうとしても、ただ疲れるだけです。
それが原因で、精神的に疲れて、うつになる人もいます。私もよく「選手の意識の根幹を変えたい。だけどなかなか反応してくれない」と悩んでいる時期もありました。でもそれは「自分で自分が疲れる原因を作っている」ようなものなのです。「他人を変えたい」という人にはアドラーの「課題の分離」という考え方が役に立ちます。
たとえば、「宿題をする」というのは、誰の課題でしょうか。
それは、「子ども自身の課題(他者の課題)」であって、あなたの「自分の課題」ではありません。
宿題をしないで怒られ、困るのは「子ども」本人です。
子どもが宿題をするか、しないかは、自分で判断して、自分で決めることです。あなたが子どもの意識をコントロールすることはできませんから、そこでやきもきしても意味がありません。他者を尊重して見守るしかないのです。
ほとんどの人間関係のトラブルは、「他者の課題」に干渉・侵害することで起こっています。
「課題の分離」がきちんとできると、人間関係のストレスは大きく解消できます。
「2つのメッセージ」
「他者の課題」(その人の課題)に対して、立ち入られたり、過剰に干渉されることを人は嫌います。
ですから、「宿題しなさい」と子どもに言うほど、子どもは逆に反抗して宿題をしなかったりします。
では、どうすればよいのか。放置するしかないのでしょうか。こんな、いい方法があります。
「Aちゃんが宿題してくれると、お母さんは嬉しいんだけどな」と伝えることです。
自分の願望、希望を、ただ相手に伝えるだけです。主語がI(私)なので、「Iメッセージ」と言われます。
一方、「(あなたは)宿題をしなさい」は、主語がYou(あなた)なので、「Youメッセージ」と言われます。
「Youメッセージ」は、あなたの思いやりからの言葉であっても、相手には命令、指示、指図、お仕着せ、おせっかいとして取られるので、反発、反感を買いやすいのです。
「Iメッセージ」は、あなたが勝手に思うだけです。「宿題してくれると、お母さんは嬉しい」というのは、1つの事実なので、「お仕着せがましさ」を感じさせることなく、「宿題をしてほしい」という願望を、マイルドに伝えられます。
たとえば、「自分で出したものは、自分で片づけてよ」ではなく、「部屋がきれいだと、(私は)気分がいい」と言うのです。
「いつも遅刻ばかりして、どういうつもりだ」ではなく、「いつも時間を守る人は、(私は)信頼できるなぁ」というように伝えます。人を動かしたい場合は、「Youメッセージ」をやめて「Iメッセージ」で伝えることです。
まず自分を変えよう
なぜか人間は自分ではなく、他人に変化を求めてしまう生き物です。
・仕事をしない上司にイライラする
・友人のこういうとこが許せない
なんて言う人多いですよね。私も言ってしまうときがあります。
しかし他人に変化を求めても、自分が疲れるだけです。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、他人に期待するより自分がそれを許せる大人になっていった方が人生楽になります。
前回大会は優勝して、今回の大会は優勝候補大本命。だけど早期敗退ってなった時、見える景色違いませんでしたか?
仕事の成果を出せた時、出せなかった時も同様だと思うのです。
落ち込んでいる時は、「なんて自分はダメなんだ」と思っていて、他の人を見ても暗く感じる。
高揚している時は、「何でも来い!」と思い、足取りも軽く、周りの人にも明るく振舞える。
こんな感じで、
自分が変われば自分が見える世界が変わるんですよ。
そして、自分を変えるのなんか他の人を変えるより簡単。
だからこそ、自分を変えた方がいいと思うのです。
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