【子育て論】「読み・書き・計算」は早い方がいいという危険

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10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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「いい大学に行かせたいから早めに塾通わせたい」
「勉強は早くから始めた方がいい」

こういった考え方は昔からよく言われることです。

しかし、子どもの発育には段階があり、早いうちに始めたからといって急激に伸びるものではないと思います。
たとえば文字を3歳のときに教えてもなかなか覚えられないのに、5歳になったら特にがんばらなくてもすっと覚えてしまうものです。「早期教育」にとらわれてしまうと、しなくてもいい苦労を子どもに強いることになり、ストレスを与えることになりかねないと思うのです。

読み書きや計算は、国語・算数といった「教科学習」であり、小学生になったときに始めるのがちょうどいい教育です。
幼児期に必要なのは、教科学習の前に身につけるべき基礎教育です。

これは「教科前基礎教育」と呼ばれています。

教科前基礎教育とは、簡単にいえば教科書とノートを使う前の教育。
何もないのにどうやって勉強できるのかと心配になるかもしれませんが、子どもが生活の中で接しているものや事柄から、「言語」「数」「図形」など、さまざまなことが学べるのです。
しかも、遊びや毎日の習慣を通して学べるため、親も子も余計なストレスになることはないといっていいでしょう。

教科前基礎教育で楽しみながら基礎教育を重ねることで、子どもの「考える力」が大きく発達するだけでなく、小学校で行われる教科学習にスムーズに入っていけるのです。

「勉強」というと親も子も身構えてしまうものです。
日々の生活や習慣、遊びをさりげなく勉強にしてしまうためには、何より親の働きかけが重要になってくると思います。

子どもが積極的に、楽しく取り組めることが重要なのはいうまでもありません。

「子どもの知育は小学校からではなく、幼児期から基礎教育を始めることが重要。幼児期に積み重ねた知育が、小学校に入ってから理解力の差を生み出すことになる」

このように考えることができるのではないかと思います。

では、幼児期に必要な基礎教育とは、どのようなものでしょう。

多くの人は「子どもに勉強をさせる」というと、すぐに参考書や問題集、ドリルなどを思い浮かべると思います。
しかし、まだ文字も上手に書けない子どもにペーパー学習は必要でしょうか。
もちろん、子ども自身が遊び感覚で楽しく取り組むことができるのなら問題はありません。
そうではなく、あまり乗り気でない子どもにまで鉛筆を持たせる必要はないと考えるのです。

よくできた問題でも、ペーパーに書いてあるものは本物ではありません。
「ボールが5個ありました。そのうち2個がなくなりました。いくつ残ってますか?」といっても、そこにあるのは絵に描いたボールです。子どもは頭の中でボールを動かしながら、問題に取り組まなければなりません。
これが、幼児期の子どもにとって難しいため、簡単な問題でも手間取ってしまうことがよくあります。
これでは勉強に対して苦手意識を持ってしまいかねません。

こうした事態を避け、スムーズに理解させるためにも、幼児の教育には現実にある「もの」を使うことが欠かせません。
「鉛筆が3本ありました。また2本買ってきました。全部でいくつになりましたか?」という問題を解くなら、実際に鉛筆を使えばいいし、「コップの水」の問題なら、実際にコップを使えばいい。

こうした教育方法を、「事物教育(じぶつきょういく)」と呼ぶそうです。

実際にあるものを触り、動かし、どう変化するのかを体験すること。
そのステップを踏んで初めて子どもは理解できるのです。
そして、事物を通して理解が得られれば、ペーパーの上でも解けるようになります。まずは「見て・触れて・働きかける」ことから始めることが重要だと考えることができると思います。

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