【子育て論】「宿題をやらない子」を劇的に変える方法

子育て

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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仕事や家事をこなしつつ、子どもの勉強を見て…、そんな忙しい毎日を過ごしている時には子どもが素直に動いてくれたらどんなに助かるか…。しかし子どもは親の思うようには動いてくれません。親の気持ちなんて子供はそもそも理解できないものです。
そこで今回は小川大介さんの著書『子どもの頭のよさを引き出す 親の言い換え辞典』(青春出版社刊)から子どもへの声かけのコツについて抜粋して紹介していきたいと思います。

ついつい言い過ぎてしまうのは、子どもを思っているからこそ

子どもがまだ小さかったころは、やれ笑った、やれ寝返りができたと小さな成長を喜んでいられたのに、できることが増えていくにつれて「これくらいのことはできて当たり前」と思ってしまいますよね。特に小学生になって学校の勉強が始まると、「学校の宿題はやるのが当たり前」「家庭学習は毎日やるのが当たり前」と考える親御さんは少なくないと思います。

「当たり前」と思うからこそ、できていないことにモヤモヤしたり、カッとなってしまったりする。そして「またやってないの!?」「本当に根気がないんだから……」などの、本当は言いたくない言葉を子どもに投げつけ、あとで「あんなこと言わなきゃよかった」と落ち込んでしまう。そんな日々に疲れを感じている親御さんはものすごく多いですね。私もそうです。

でもそれが、親として当たり前の姿なのだと思います。
ムカつく時はムカつきます。それは自分の子供であっても、他人であってもそうです。
不安もイライラも親の愛情の証なのですから、つい心ないことを言ってしまったとしても、ご自分を責めないでください。子どもを傷つけたと思ったら、「ごめん! お母さん(お父さん)、さっきはちょっと言いすぎた」と素直に謝ればいいだけのことです。

子どもが自分から動くようになる言葉がある

最近よくうたわれるようになった「見守る子育て」。これは「勉強反対派」なのではないか、というバイアスを生み出すこともあります。

子どもの将来の幸せに勉強が大切であることは、疑う余地もない事実です。子どもの幸せを願うなら、勉強にこだわるのは当たり前なのです。

大事なのは子どもにその思いをどう伝えるかです。お互いが感情的にならずにすんで、気持ちよくすごせる言葉を選んでいく。

 「ちゃんとやったの?」「○○しなさい!」という命令口調は子どものやる気を奪うだけでなく、親からの指示がないと動けない子にしてしまう心配もあります。子育てのゴールを「自立」と考えるのなら、子どもが自ら動けるような言葉を渡してあげたいですね。

ここで有効なのが「問いかけ」だと思います。

たとえばこんなケース。夕飯前に宿題を終わらせると約束したのにやっていない。または、いつまでもダラダラやっている……。

 「早くやりなさい!」

 「うるさいなぁ?わかってるってば!」

日々の生活でもっとも親子バトルに発展しやすい場面といえば、この「宿題をやったかどうか」ではないでしょうか。

親としては、学びの土台となる学校での勉強をおろそかにしてほしくない。一方で、「こっちは忙しいんだから、学校の宿題くらい自分でやってほしい」という親の都合もあるでしょう。仕事から急いで帰って、夕飯づくりや片づけなどやることが山積みなのに、思うように事が進まないとイライラしてしまう。これもごく自然な感情です。

とはいえ、ここでイライラの感情をぶつけてしまえば親子バトルに発展するのは目に見えています。理想的なのは、子どもが自分から宿題に取りかかり、その間に親は家のことをやっておく。そのためには強く言いたい気持ちをいったん横に置いて、子どもの気持ちに寄り添うことが解決の近道になります。

子どもに「なんとかなりそう」と思わせる

宿題を自分から始めようとしない。時間がすぎても終わっていない。このような状況のとき、大人は「できている」「できていない」で判断してしまいがちです。でも、ここではまず、“なぜ勉強に取り組めていないのか”に目を向けましょう。

人生経験が豊富な大人と違い、子どもは「いつ、何をしたら予定までに終わりそうだ」という見通しを立てる力がまだ育っていません。また、何かをやり遂げなければならないとき、それが無事に完了するかわからないと不安になります(大人も同じですね)。

なかなか宿題に取りかかれない子の多くは、「何から始めたらいいかわからない」「ちゃんと終わるか自信がない」という不安を感じていて、なおさら身体が動かないのです。

そこでポイントとなるのがセルフイメージ。「宿題が終わっている自分」をイメージさせてあげると、身体が動きやすくなります。届ける言葉は「○○しなさい!」という命令ではなく、問いかけです。

順番は次の3ステップで進めてみましょう。

 1「宿題は何が出ているんだっけ?」 (対象を思い出させる)

 2「どこまでやったら終わったことになるのかな?」 (取り組みの具体化)

 3「どれくらいかかりそう?」 (時間と負担感の確認)

 まず何の宿題が出ているのかを問い、やるべき対象を思い出させます。すると、「今日は算数と漢字のプリントが1枚ずつだよ」などと答えてくれるでしょう。「わかんなーい」という答えだったら、宿題をメモする習慣から教えてあげる必要がありますね。

 次に「どこまでやれば終わったことになるか」を確認します。大人はよく「ちゃんとやりなさい」と言いますが、「ちゃんと」というのは実はとても曖昧な言葉なのです。

 プリントを全部埋めればいいのか、丸つけまでするのか、解き直しまでするのか、取り組むべき内容を確認してください。先生から指示がないようなら、「宿題は丸つけまでしようね」「解き直しまでできているといいね」などと家庭で決めておきましょう。

予定を自分で選択できることは自立の第一歩

宿題の点検ができるようになったら、「算数のプリントは何分くらいでできそうかな?」と時間を意識させる問いかけをしてみましょう。

「計算が12問あるうちの7問は暗算でできるから10分あればできそう。残りの5問は筆算が必要かな。間違い直しを入れたとしても30分あれば終わりそう。じゃあ、17時半からやれば大丈夫!」

 こんなふうに自分で計画が立てられるようになればしめたもの。ここまで到達するにはそれなりに時間と根気が必要ですが、一度習慣化できれば親御さんの負担は減ります。

 何よりお子さんが自分の予定を自分で選択できるようになり、これは将来の自立につながっていきます。どうか気長に関わって、自分の足で前へ進める子にしてあげましょう。

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