「友達におもちゃを貸せない」「お片づけができない」など、イヤイヤ期の子どもとの関わり方がわからず、つい叱ってばかりになってしまうパパやママも少なくないはず。
実はイヤイヤ期は「子どものこだわりを否定するのではなく、イヤの背後にある理由を知ることで子どもの能力はどんどん伸びていく」時期とも言えるのではないかと思うのです。
「わがまま」「こだわり」は才能の種
敏感期を、私は生きるための「型」を身につける時期だと考えています。言葉で教えるだけでは身につけることができない、「順序」「習慣」「所有」「場所」 などの概念を体得し、様々な生き方の「型」を学び、同時に体や言葉も著しく成長します。
実際に口では何とも説明できない事柄は存在すると思うのです。
何かに強いこだわりを見せるのは、 子どもの本能なのかもしれません。この時期の子どもにとっての 「イヤイヤ」は、子どもの将来の才能、人間関係、社会性などに関わる才能を培うためにある「敏感期」とも言えるのかもしれません。
ですから「敏感期」を知ると、子育てがとても楽になります。なぜなら、子どもの「イヤ」の背後にある理由が何か、わかるようになってくるからです。
そして、そのこだわりを否定するのではなく、大切にできれば、お子さんの能力はどんどん伸びていきます。
段取り力、継続力、集中力、勉強の習慣といった、親が身につけてほしいと願う力は、敏感期を知り、お子さんを観察し、そのこだわりを伸ばすことで、手に入れることができます。
おもちゃが貸せなくても怒らない
子供は基本自分のおもちゃを貸せないものです。特に男の子は…。
子どもたちを見てきた経験からいえば、男の子のほうが所有の意識は強いようです。家にお友だちが遊びに来たときのパターンといえば、自分のおもちゃをお友だちが使おうとして、ケンカになり、「遊びに来てもらったのに、おもちゃも貸せないでごめんね」といって終わる……。
これは男の子がいるどこのご家庭でも同じかもしれません。
よくよく考えると、「貸す」ためには、まず「自分のものである」という所有の概念が必要になります。「所有する」ということがわかって初めて、「自分のものを人に貸す」ということがわかるようになるのです。
ですから、「おもちゃを貸せない」という経験は、その後の「貸す」に進むための大きな一歩でもあるのです。大切なのは、まずは子どもの気持ちを受け止めることです。
「そうだよね。○○君のだもんね」と、所有の権利を認めることです。このように認めてもらえると、そのときは貸すことができなくても、徐々にお友だちにおもちゃを貸せるようになっていきます。
ですから、「貸さない」というお子さんに、「そんなこといわないの!」「わがままなんだから」などというのは禁物です。
特に「わがまま」「自分勝手」「意地悪」といった、人格を否定するような言葉はいけません。お子さんは、この時期、「所有」という概念を理解している途中なのであって、決してわがままなどではないからです。
お友だちに何かを貸さなければならないときには、子どもに自ら決めさせるといいでしょう。「どのおもちゃなら貸してあげられる?」のように、子どもの意見を聞くようにします。
小学校に上がるくらいまでは、所有に対する敏感な態度は続きます。この時期にしっかり所有の概念を身につけることは非常に大切です。
特に男の子は、小学生になると様々なカードゲームで遊ぶようになります。カードを「集める」「交換する」「あげる」「もらう」「貸す」「借りる」などの行為がきちんできないと、お友だちとうまく遊ぶことはできません。
性質をいかして「片付け上手」に
場所にこだわる時期に、その性質を生かして環境を整えると、お片づけができる子どもに育ちます。ですからこれはママにとっては、見逃せない敏感期です!
なぜなら、場所にこだわる時期にある子どもは、「いつもあるところに、あるものがない」ということが、気持ち悪くて仕方ないからです。
幼稚園や保育園では、自分の靴箱にマークやシールが貼ってありますよね。これは、子どもの場所にこだわる敏感期の性質を利用してのものです。
ですから、家の靴箱にもお子さんの場所にシールを貼るなどすると、子どもはその同じ場所に靴をしまうようになります。
玄関の床に、靴の形になぞった紙を貼っておくだけでも違います。パズルのようにそこにピタッと靴を置くのがこの時期の子どもです。玄関の靴の脱ぎっぱなしがイヤ、というママはぜひ試してみてください。
この時期の親が気をつけなければならないのは、ものの配置です。同じものを同じ場所に置くようにするようにしましょう。子どものものは特に、です。
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