【子育て論】親が気をつけるべき「動物園型子育て」

子育て

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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子供にはたくさん失敗から学んでほしいと思う親もいれば、出来る限り痛い目に合わないでいてほしいと思ったり子育ての価値観は人それぞれ。

子育てに正解はないですが、色々な価値観や教育方法を知識として蓄え、状況に応じて様々な方法を試してみることは非常に大切です。

今日はある程度、子供たち主体的に育てる方法を「牧場」、1から10まで何でもする方法を「動物園」に例えて、メリットデメリットをお話していきたいと思います。

動物園型子育て

本来は狩りをして獲物を捕まえるライオンも、草を求めて群れで移動するゾウやキリンも、動物園では何もしなくてもエサを与えてもらえます。毎日、決まった場所で過ごすので、野生的な本能は低下していきますよね。
掃除も健康管理もしてもらえるけれど、少なければ1頭だけ、多くても数頭で同じ仲間と一生を過ごすため、刺激はありません。
動物園は、赤ちゃんにとっては安全・安心が守られている最適な環境です。しかし成長しても自由がなく、ただ食べて寝て暇つぶしをするだけ。
毎日ルーティンの生活で退屈な一生を終えることになるのです。

24時間家族の管理下で生活

人間の子どもの場合、赤ちゃんから2歳頃まで、自分でできないことがもっとも多い時期ですよね。
食べものも決まった時間に与えられ、体も洗ってもらえますし、寝かしつけもしてもらえます。
洋服を着たり、ベビーカーに乗って移動したり、身のまわりのこともすべて親にお世話してもらえますが、行動はかなり制限されます。
また、保育園や幼稚園に入るまではお友だちと交流することもなく、自分の家族とだけのルーティンの生活をしています。

動物園型 子育てのメリット

➀すべてにおいて安心、不安がない
➁安全でストレスがない
➂心が安定する動物園型の場合、親はすべて自分の考えで管理して子育てします。

子どもは、何もできない赤ちゃんのうちは24時間お世話してもらえるので、衣食住すべてにおいて安心で、不安はありません。
お腹が減ったときや眠たいとき、泣いたり甘えたり駄々をこねたりしても、親にあやしてもらえれば満足できます。
行動範囲も家庭中心で、親がそばにいるので安全も確保されており、不安やストレスの少ない環境で育てることで子どもの心も安定します。
その後、子どもが1人遊びをはじめると、ここで初めて牧場型の時間が少し入ってきます。
この時期から親が子どもを1人の人間として尊重し、何をするにも「どれがいい?」「何をしたい?」と聞くようにすると、自分で考えるくせが身につくのです。
例えば「お茶飲む?」「まんま食べる?」など初めて決断の選択肢を子供に委ねてみると、そこから何がいいのか考えるようになります。ここから自我というものが確立されていくのです。

また親も子どもの好き嫌いがわかるようになるので、好きなことをやらせてあげると集中力が身につきます。
子どもの様子をよく観察して、できたことをほめてあげると、子どもは自信を持てるようになります。
たとえば1人で歩いたとき。ご飯をこぼさず上手に食べたとき。お箸を持てたとき。オムツがとれたとき。成長の節目節目でほめるタイミングはたくさんありますよね。
性格的な面でも、マイペースな子、積極的な子など、子どもの長所を見つけて伸ばしてあげると自己肯定感につながります。
そういったことすべてが、やがて広い牧場に出たときの自信につながるのです。

動物園型 子育ての注意点

➀よくも悪くも100%親の影響を受ける
➁短所ばかり目につき、さまざまな弊害が生じる
➂自信とやる気を失い、自己肯定感もたたきのめされる

動物園型子育ての場合、よくも悪くも子どもは100%親の影響を受けてしまうものです。
その影響が子どもの個性を伸ばす妨げになっていなければ問題ありません。
しかし、「こういう子どもになってほしい」という親の理想を一方的に押しつけると、期待に反する子どもの短所ばかり目につき、さまざまな弊害が生じます。
あえて動物にたとえるなら、気弱でやさしい草食動物として生まれてきた子どもを、肉食動物として百獣の王に育てようとするようなものです。
子どもは仲間と草原を走り回って草を食べたいのに、親から無理矢理肉を食べさせられ、獲物のとり方を習わされているようなイメージ。逆も同じです。
親がよかれと思って本人が嫌がっていることを教えこもうとしても、嫌いなものは嫌いですし、できないものはできません。しかし親はなんとか思い通りに育てたいため、「なんでできないの!」と責めたり、怒ったり、脅したりします。それだけでなく、「また間違えたの?」「できないと後で苦労するからね!」と、短所いじりをはじめて口撃するのです。
そういう毎日が続くと、子どもは自信とやる気を失い、自己肯定感もたたきのめされてしまいます。その結果、勉強に対する「自信」を喪失。そんな子どもに「勉強しなさい」と言うのは拷問でしかありません。
「動物園型」が必要な時期は確かにありますが、それほど動物園型は親の権力で子どもを支配しやすい環境でもあります。悪い影響を受け続けると、子どもは自分で考えて判断できなくなってしまうので、注意が必要です。

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