バスケットボールのZoneDef「1-3-1」 Vol.1

コーチング

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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今日はバスケットボールのディフェンス戦術である「1-3-1」について
説明していきたいと思います。

・習得が難しい
・弱点が多い

などが理由であまり利用されない戦術ですが、ポイントを押さえて戦うことができれば、短時間であってもかなり大きな武器になることは間違いありません!
是非、みなさんのディフェンスの選択肢になってもらえるように図を用いて徹底解説していきます!

1-3-1 ZoneDefとは

1-3-1は先にも述べたように、戦術として用いられることが多い方ではありませんが、1940年代から形になったものであり、実は長い歴史がある戦術なのです。長い月日をかけ、アップデートを繰り返し、他のディフェンスに比べると比較的ディフェンスルールが確立されているゾーンディフェンスです。

ゾーンディフェンスの弱点でもあるハイポストで起点を作らせぬ陣形で、前線からどんどん積極的にプレッシャーをかけ、相手のミスを誘発していきます。
特にこのディフェンスは運動神経が良い、身長が高い、ウィングスパンが長い人がいると非常に有効的です。

下記は基本的な陣形です。

①:ウォーリアー
②④:サイド
③:トップ
⑤:ミドルセンター

基本的に
ウォーリアー=①ポイントカード
サイド=②④ウイングマン / ビッグマン
トップ=③ウイングマン
ミドルセンター=⑤ビッグマン
の人員配置がベストです。

1-3-1のポイント

ボールマンに必ずマッチアップする

1-3-1を実行する上で、ボールマンに対するプレッシャーは重要です。
ボールマンにマッチアップする場合は、1vs1ではなく、必ず1人に対して2人でマッチアップし、基本的に1vs2のシチュエーションをつくりましょう。

ドライブのヘルプ
1vs2でマッチアップする場合は敢えてインラインを開きます。もちろん開きすぎるのはダメですが、空いている真ん中に誘導するようドライブを仕掛けさせます。そのドライブのヘルプをミドルセンターが担当するイメージです。

パスコースをシャットアウトする
1-3-1はパスで左右に揺さぶられると移動幅は大きいため、弱点であるポイントをうまく利用されてしまいます。ボールにマッチアップする人は逆サイドに展開させない、コーナーにパスをさせないディレクションが重要になります。

ポジション別のルール

トップ
ボールマンに対し、片方のサイドに誘導するようディレクションをします。展開させないポジショニングをキープし続けなければなりません。自分自身を大きく見せるため常にハンズアップをし、時にジャンプフェイクで相手のパスのタイミングをズラすのも重要なスキルです。ツーガードポジションに位置とりをされた場合は間に入り逆サイドにパスさせないウィングからコーナーにボールが落ちた際はボールサイドのエルボーに移動し、上からダイブされないようにしましょう。体力的にも一番しんどいポジションです。

サイド
ウイングにボールがある際は積極的にプレッシャーをしかけ、相手にパニックを起こさせるようにしましょう。ディレクションは必ずコーナーにドリブルさせない、パスをさせないようにします。もしコーナーにボールが降りた際は、ウォーリアーと一緒にトラップします。。ボールと逆サイドの場合はウィークサイドのヘルプや、ショートコーナーをケアしましょう。

ミドルポスト
常にゴールラインにポジション取りをして、ドライブで仕掛けてくるオフェンスをケアします。自チームの一番背の高い人が務めることで、弱点のコーナーやショートコーナーに簡単にパスをされることも少なくなります。ハイポストにボールを繋がせないようにすることも大事です。

ウォーリアー
コーナーへボールが落ちた際はクローズアウトして簡単に打たせない。常にボールサイドに位置し、ディフェンスの数的優位な状況をつくるようにします。
移動距離が多いのでトップと同じぐらい運動量豊富な人が務めるのが適していると思います。



基本的なポジショニング

1)トッププレイヤーはサイドチェンジのパスコースを塞ぐ。
2)ウィングのプレイヤーはコーナーへ落ちるパス、コーナーから戻るパスを防ぐ。ボールが逆サイドにある場合は、ゴール下付近を守る。
3)リング下のプレイヤーはボールサイドのローポスト、コーナーをケアする。


図①

4)トップを守っている者の守備範囲は『フリースローの幅』まで。それ以上のエリアはウィングマンに託す。
5)図①の左上がスタンダードポジション。
6)Wingにボールがある際はダブルチーム(ソフト)。
7)右上、左下のようにボールがフリースローラインよりもサイド側に移動した場合はウィングがボールにマッチアップする。
トップ…サイドチェンジパスを防ぐ
ウイング…ボールマンをマークしながら、かつコーナーへのパスコースを防ぐ
ミドルセンター…エルボーに移動し、ハイポストのパスコースを防ぐ
ウォーリアー…ボールサイドのローポストを防ぐ。コーナーに移動できるよう必ずフルフロント
逆サイドのウイング…ゴール下付近を防ぐ

8)ウイングはストロングサイドにドライブするよう誘発し、ケアをミドルセンターが行う。
その際にトップは逆サイドウイングへのパスをケアすべく、ディフェンスラインを下げる。
(逆サイドのローポストにビッグマンがいない場合は、ウイングはドライブキックアウトのパスに対しシュートチェックができるポジショニングをとる。)


図②

できるだけコーナーにボールが落ちないように努力するが、落とされた場合は
1)ウォーリアーがコーナーへ移動し、コーナーをカバーする。(図②の左下)
(真ん中にいては絶対に間に合わないので、ボールサイドローポストに移動しておく)
2)ミドルポストはハイポストからローポスとへ移動する。
3)逆サイドのウイングが裏パスをカバー。
4)トップとボールサイドのウイングはキックアウトのパスを防ぐべくラインを下げる。
5)コーナーにボールが降りた際は2-3の形になる。
6)コーナーにボールが落ち、展開を試みてトップにボールが戻った際は展開させぬディレクションをとる。
7)図②の左下はサイドチェンジをされた際の全員の動きである。
8)図②の右下のようにハイポストにオフェンスがいる際はフルフロントでボールをいれさせないようにする。
9)ダブルハイポストに位置された場合はボールサイドのエルボーをミドルポストが、逆サイドのエルボーを逆サイドウイングがケアする。


図③

1)図③の左のようにハイポストにボールが入った場合、ミドルポストが1人で守る。
あとの選手はキックアウトに対応する準備をする。
2)もし図③の右のようにローポストにボールが入ればミドルポストとダブルチーム。


図④ ウイングからのドライブの対処法(ミドルポスト ヘルプ)

1)ウイングからのアタックはミドルポストか、トップがヘルプする。
いずれにしてもウイングはタフについていきダブルチームの形をつくる。
2)ミドルポストはペイントエリアの外でヘルプをする。ミドルポストに位置していたオフェンスに対してはウォーリアーがケアをし、逆サイドのウイングもインサイドのカバーに回る。


図⑤ウイングからのドライブの対処法(トップ)

1)トップがヘルプ(ダブルチーム)に行くのはアタッカーがゴールに向かっていない場合。
2)ただしリングにアタックしていないので得点に結ぶつくプレイに発展する可能性が低いので、ショウディフェンスで逆サイドのディフェンスに回っても良い。


図⑥トップからのドライブの対処法

トップは正面に位置していないためドライブされても問題ない。
ミドルポストがゴールラインをキープしヘルプして、ウイングはショウディフェンス。


図⑦コーナーからのドライブの対処法

ウォーリアーはかなりの距離をクローズアウトする必要があるため、ディフェンスは抜かれやすいのが現実。ベースラインを抜かれないように方向付けし、ウイング、またはミドルポストが必ずケアできるように位置する。

 

 

ここまで非常に長くなってしまいましたので
次回は1−3−1のメリット・デメリットやチームとしての約束、そして実際の映像もご覧いただきたいと思います!



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