【NBA】OKC率いるマーク・ダグノートの仕事の流儀「チャンスを与えられることは当たり前ではない」

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10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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サンダーのマーク・ダグノートが、2023-24シーズンのコーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。
若きサンダーを57勝25敗の西カンファレンス1位に導いた彼の受賞は予想されていたことで、98票のうち89票を集めての受賞となりました。
もっとも彼は発表当日の予定を聞かれると、いつもの飄々とした口調で「特に何かあるわけではなく、試合の準備をする」と答えています。

そのダグノートは、受賞が決まった後も謙虚であり続けた。その理由ははっきりしています。
「チームが評価されての受賞であって、それは様々な人の手によって成し遂げられたものだから、私個人が受賞されることはあまり居心地が良くない」
と彼は言っています。

「このチームにどれだけ強い繋がりがあり、上から下まで機能しているかを見てほしい。チームはパフォーマンスに集中でき、選手は自分の技術に集中できる。そこに大きな価値があるわけで、その中で私が特別すごい仕事をしているわけじゃない。私たちはハドルを組み、チームで仕事をする。多くの人が関与する中で私だけが特別扱いされるのはピンと来ないよ。光栄なのは間違いないとしてもね」

彼は1985年生まれの39歳。レブロン・ジェームズより年下の、若いチームを率いる若いコーチです。
コネチカット大の学生マネージャーから指導者キャリアをスタートさせた彼は、フロリダ大でビリー・ドノバンのアシスタントコーチを務めた縁で、2014年からサンダー傘下のGリーグチームであるブルーを指揮し、ドノバンのアシスタントコーチを経てサンダーのヘッドコーチへと昇格しました。

「オクラホマシティーに来るまで、NBAに行くなんて考えたこともなかった。Gリーグでも最初は日々の仕事をこなすのに必死で、慣れるのに数年かかった。そこからこんなチャンスを得られるとは予期できないよ」と彼は言います。

「才能はあってもチャンスを得られない人は大勢いる。特にこの世界ではね。私はものすごく恵まれているよ。コネチカット大で最初のチャンスをもらい、ホーリー・クロスが私を雇ってくれた。フロリダ大でもポジションは空いていなかったのにドノバンが機会を作ってくれた。そしてサム・プレスティがGリーグへと引き上げてくれた」

2020年オフ、再建へと舵を切ったサンダーは数多くのヘッドコーチ候補の、その全員がダグノートより実績や経験がある中から彼を抜擢したのです。
後に彼はこの時を振り返って「その時の私ではなく、その後にどうなるかの私を見て決断してくれたことに感謝しかない」と語っています。

彼はただ感謝するだけでなく、仕事に取り組む姿勢で、そして結果を出すことで信頼に応えてきました。「チャンスを与えられるたびに、それが当たり前ではないと自分に言い聞かせて、責任を果たそうとしてきた」と彼は言います。
そのメンタリティは、今ではサンダー全体に浸透していることでしょう。
「選手やスタッフをマネジメントする際に同じことをやっている。選手を試合に出すたびに、それを当たり前だと思わせない。そうすることでチームを前進させたいんだ」

「自分が得てきたチャンスを振り返ると信じられない思いだ。でも、それは誰にとっても同じだろう。ウチの選手全員が、これまでのどこかの時期で『自分にはNBAは無理だ』と感じたことがあるはずだ。チャンスはいつも得られるわけじゃないし、永遠に続くわけでもない。だからこそ感謝しなければいけないし、良い仕事をしなければならない」

そして彼は、最後に再びこう言いました。「すごく幸運だったと思う。もし私の人生を100万回繰り返したとして、99万9999回はここに立っていないだろうね」

そのダグノートが率いるサンダーは、3勝0敗で迎えたペリカンズとの第4戦に挑みます。「このチームは本当に特別なグループだと思う。だからこそ謙虚であり続けたい」

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