2月4日(現地時間3日)、ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングがトレードを要求していると『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じました。
カイリーは2月9日のトレードデッドラインまでの移籍を望んでおり、それが実現しなければ7月にフリーエージェントで退団するとネッツに通告したといわれています。
ネッツは31勝20敗で東カンファレンスの4位。開幕から2勝5敗と低調なスタートを切った時点でヘッドコーチのスティーブ・ナッシュを解任し、このショック療法を機にチームは持ち直しました。この1カ月はエースのケビン・デュラントをケガで欠いて4勝7敗と負けが先行していますが、チームの雰囲気は決して悪くないように見えます。後任指揮官のジャック・ボーンの下でチームがまとまり、攻守にチームバスケが機能している感じです。そのネッツをオフェンス面で引っ張るのが平均27.1得点、5.3アシストのカイリーです。
デッドラインまで約1週間に迫るなか、カイリーの移籍先候補として挙がっているのは、ロサンゼルス・レイカーズ、フェニックス・サンズ、ダラス・マーベリックスの3チーム。レイカーズのレジェンド、アービン“マジック”ジョンソンは「個人的に、“パープル&ゴールド”を身にまとったカイリーを是非とも見てみたいね」ツイート。そして「旧友」レブロンもTwitterで反応を示しています。
カイリーはトラブルメーカーの一面もあります。これまでも編成に口を出し、メディアやファンと対立し、新型コロナウイルスのワクチン接種を拒んだことで多くの試合を欠場してきた彼は、今シーズンも開幕早々に反ユダヤ主義を支持するかのような言動を取り、ネッツから出場停止処分を科されました。さすがのカイリーもこれには懲りたのか、謝罪の上でコートに復帰し、その後はバスケに集中して素晴らしい結果を残していました。
カイリーの出場停止明けからチームは勝てるようになり、バスケの質も大きく向上。リーグ屈指のスター選手であるデュラントの活躍はもちろん、新戦力のロイス・オニールが攻守を束ねる存在となり、ニコラス・クラクストンが守備の要として成長、渡邊雄太も3&Dとして、またチームのムードメーカーとして大きく貢献していました。
好調なチームの主軸を務めることでカイリーもハッピーであるように見えたのですが、『The Athletic』によれば、ネッツが提示した新契約があまりに低かったためにカイリー側が交渉を打ち切り、今回のトレード要求に発展したそうです。
カイリーが抜けることで、今のネッツの良いケミストリーもご破算になるでしょう。カイリーと仲の良いデュラントが、今回の出来事をどう受け止めるのかも大きな懸念事項となります。悲願のNBA優勝を狙える好位置につけていたはずのネッツだが、またしても大きなトラブルに見舞われることになってしまいました。
移籍先有力に挙がっているレイカーズは、安定した活躍ができていないラッセル・ウエストブルック、パトリック・ベバリー、未来の1巡目指名権を絡ませたトレードを検討していると報じられています。
今回の移籍騒動はどのような結果となってしまうのか目が離せません。
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