【NBA】レイカーズ新HCがウエストブルックに期待する要望とは?

バスケットボール

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

Coach Kをフォローする

レイカーズは新たな指揮官ダービン・ハムとともに再スタートを切ろうとしています。それでも、そこにラッセル・ウェストブルックが含まれているかどうかはまだ分からない状況です。ウエストブルックのトレードの噂は絶えず飛び交っておりますが、レブロンとの契約と共に停滞中です。そのレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスとプレーが噛み合わなかったことで、ウェストブルックの評価は下がりましたよね。下がりすぎてトレードにも出せない状況にありますが、レイカーズは本音ではトレードを願っているのかもしれません。

しかしレイカーズが利を得る形でのトレードは実現しそうにないし、実際に成立に漕ぎ着けるまでは新シーズンのウェストブルックが本来のパフォーマンスを取り戻すものとしておかなければならないのです。新たな指揮官は就任会見でウェストブルックについて「彼がいてくれることに興奮している」と語りました。そして「彼には今までのキャリアよりも多くのコーナースリーを決めてほしい」と語っています。

そもそもウェストブルックは3ポイントシュートが得意な選手ではありません。キャリアを通じて1試合平均のフィールドゴール試投数が18.8、そのうち3ポイントシュートは3.7本しかないです。成功率も30.5%しかなく、キャリアで最も高かった2016-17シーズンでも34.3%と平凡な数字。彼はあくまで、卓越したフィジカルとスピードを生かしたペイントアタックから何かを生み出す選手なのです。

一般的にコーナーは、3ポイントシュートの中でも最も確率が高いとされています。リングまでの距離も近く、オープンかつキャッチ&シュートで打てるチャンスが多いのです。昨シーズンのウェストブルックはコーナースリーを45%(51本中23本成功)と及第点の確率で決めていますが、問題は51本という数の少なさです。シーズンを通して彼が放ったシュート1233本のうちコーナースリーは51本だから、シュート全体の4%しかないことになります。

ウェストブルックはボールを持って何かを生み出す選手であり、トップの位置から自分の判断で動きます。つまり「多くのコーナースリーを決めろ」という新指揮官の指示は、「ボールを持たず、コーナーにステイしろ」との意味でもあり、ウェストブルックから『らしさ』を取り上げて、トップの位置でボールを保持して起点となる役割を他の選手、つまりレブロンに譲れという命令に見えなくもないですよね。

ウェストブルックに本来のプレーを取り戻させるためなら、コーナースリーを狙わせるのは間違っていると思います。それでも彼を主力に据え置く代わりにオフボールでのプレーを受け入れさせることは、トレードがまとまりそうになく、ベンチに置くのも波風が立つ状況で、レイカーズにとっての最適解なのかもしれません。

ウェストブルックにとって、この指示は屈辱でしょうし、最大の持ち味である爆発力を封印することにも繋がります。しかし、勝つことで批判をはねのけ、自身の評価を取り戻すという意味では、やる価値のあるチャレンジかもしれないですね。近年のNBAではスター選手の自分勝手な振る舞いが横行していますが、ウェストブルックであれば自分を犠牲にしてチームファーストを貫くこともできるはずです。その先には、もしかするとレイカーズにとってもウェストブルックにとっても、大きな収穫が待っているかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました