【子育て論】こどもは豊かな経験をして育ったほうがキレにくい

子育て
Upset crying and mad little toddler boy

10歳からバスケットボールをはじめ、日本一を2度経験。
プレイヤーとしての夢は病気の影響により断念したが、「成長過程にいる男たちを、いっぱしの男にしてやりたい!」という思いを胸に、バスケットボールコーチしてます!また大学事務職員として教学マネージメントを担当。リアルな観点から「教育」「子育て論」「コーチング」などについて情報を発信していきます!

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・子供がすぐキレる。
・口答えがすごい。

そんな悩みを抱えている人多いのではないでしょうか。

怒りっぽい人とそうでない人の違いは何なのか。
脳科学者の茂木健一郎さんはこう言っています。

怒りという感情は脳の前頭前野という部位で処理される。
怒りを抑えられる人は脳が発達していると言える。

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今日は『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』の内容に沿って皆さんにお話をしていきたいと思います。

自ら「怒り」を生み出す人はいない

何かに対して怒りが湧いたときに、果たして怒っているのは「自分」なのでしょうか。 

質問の意味が分からない人のいるかもしれませんが、「怒り」および感情全般を脳科学的に考えたときに、本質はこの質問に集約されていると言ってもいいのです。
例えば、お腹が空いてご飯を食べるのは自分、体重を気にしているがデザートにケーキを食べてしまうのも自分。
しかし、そんな自分に対して込み上げてくる怒りは、どこから発するのだろうか。

怒りを例えて言うなら、「お腹が痛い」という現象に近いと言われています。
。お腹が痛くて薬を飲むのは自分の意志ですが、お腹が痛いのは自分ではどうにもならない。自分でお腹を痛い自分を作り上げるのは無理ですよね。
それと同じように、怒りも「怒ろう」と思って発生するものではないのです。
自分が怒るというよりも、自分の中の別のものに「怒らされている」という感覚で理解してもらえればいいでしょう。

そういう意味では、感情は極めて無意識の領域に近いところに存在し、無意識の消息を伝えてくれるものなのです。

感情のメカニズムを知ることは良好な人間関係につながる

近年、この感情をいかにコントロールするかが重要なテーマになっています。
ポジティブな感情に満たされているときならいいですが、ネガティブな感情に支配されているときは、パフォーマンスにも悪影響が出ます。
普段やっている簡単な作業をしくじったり、大切なところで判断ミスをしたりして、さらなる感情の悪ループに陥ることも珍しくないですよね。
バスケットボールの試合でも良い状態の自分、悪い状態の自分が必ず存在します。
普段は外さないようなリングに近いシュートを外してしまう、などということはメンタリティによるものなのです。

当然、人間関係においても感情の置き所は重要です。
怒っているときに勢いまかせで言った言葉に、「なんであんなこと言っちゃったんだろう……」と後悔した経験は誰にでもあるでしょう。
そうした負の感情やストレスと上手に付き合っていくために、昨今ではアンガーマネジメントが随分と話題になっています。

なんのために感情が生まれるのか、どのように生まれるのか。

あの人はいつも穏やかなのに、なぜ自分はこんなにも怒りっぽいのか。

感情というメカニズムを俯瞰して眺めることで、それをコントロールするための重要なヒントを見つけられるかもしれない。

そこでここでは、立ち返って、そもそも感情とは何なのかを考えてみましょう。

「怒り」や「恐怖」は人間が生き残るため

「生まれて初めて息を吸ってから、人生最後の吐息の瞬間まで、あなたの脳はたったひとつの問いに応えようとしています。
それは『今、どうすればいい? 』という問いです。

これは、「2021年1番売れた本」として話題となったアンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』(久山葉子訳、新潮新書)の一節で、
同書では人がなぜ感情を抱くのか、そのメカニズムを進化論的に極めてわかりやすく説明しています。

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昔、人はさまざまな脅威に晒されていました。自分たちを襲う野生の肉食動物たちに狙われながら、餓死しないよう食べ物を探して集団で絶えず移動しながら生活をしていました。もちろん、安全を脅かすものは肉食動物だけではないです。天候や自然災害、伝染病などの多様なリスクに晒されながら、常に「どのようにして生き延びるか」を最優先して生きてきたのです。

そのような環境では、「恐怖」「ストレス」「怒り」といったネガティブな感情が大いに役に立ったといわれています。
草むらに隠れたライオンを目にしたときに感じる「恐怖」という感情があるからこそ、危険を察知することができ、身体が逃げることを選択できるのです。

つまり感情とは、単なる「現状の感想」ではなく、危険を回避するためのツールの一つだったのです。
生きるために「今、どうすればいい?」という問いに応えるべく、脳が構築した戦略装置だったということになります。

感情に左右されない脳は多彩な人生経験によって育てられる

感情のコントロールには、大脳新皮質、中でも前頭前野の機能が極めて重要となり、怒りを制御できるか、できないかも、喜びや悲しみといった感受性の豊かさも、前頭前野の発達具合によるところが大きいと言われています。

前頭前野の発達具合に関しては、その人の育った環境によって大きく左右されることが、さまざまな研究でわかっています。単純に裕福な家庭で育ったか否かではなく、いかに多くの、多彩な経験をしているかどうかで、豊かな自然環境で育ったり、スポーツに打ち込んだり、多くの芸術作品に触れる機会に恵まれたりして育つと、怒りをはじめとするさまざまな感情をコントロールしやすくなる傾向があります。
こうした経験の豊富さは、言いかえれば、パターン学習の豊富さでもあります。世の中には多様な人がいて、人生はさまざまなことが起こります。人にこういう行為をしたとき、自分はこういう気持ちになり、経験を通じてそうした事例を前頭前野に学習させておくことによって、感情に左右され過ぎない脳を育成することができるのです。

これは実際の経験に限らず、本や映画でもかまわないのです。あらゆるストーリーを内部モデルとして自分の中に蓄積させておけば、リアルの世界でそれが役立つシーンが必ずあるはずです。本や映画、音楽を通じて芸術的な教養を身につけておくことは、感受性を高めるだけでなく、アンガーマネジメントにも大いに効果があります。

子供に何か勉強させたい、スポーツをさせたいと考えている方は、一つに絞らないでどんどんチャレンジさせてあげてください。

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