開幕当初、優勝候補と見られていたレイカーズは後半戦1勝6敗、シーズン成績28勝37敗、ウエスタンカンファレンス9位と窮地に立たされています。プレーイン・トーナメントに向け、勝利数が右肩上がりになるのではないかと思われたが、理想と現実ではまるで世界が違っており、下からペリカンズやスパーズも追い上げてきており、プレーイン圏内の脱落も不思議ではありません。
そんなチームの現状に対し、レイカーズファンは、そんな不調の矛先となっているのは、今季鳴り物入りで加入したラッセル・ウェストブルックです。
チームの優勝に原動力となるべく加入しましたが、フランク・ボーゲルHCのバスケットにフィットできず、今シーズン平均18.1得点とキャリアワースト3位のスタッツに留まっています。また、コート上のHCといわれるポイントガードにもかかわらず、度々ゲームの流れを壊してしまうTOを連発させてしまうプレーにウェストブルックはファンは大きく失望してしまっている様子です。
批判があるたびに、ウェストブルックは「気にしない」気丈な姿勢を示し、いつでもポジティブに受け止め、ファンに我慢を求めていましたが、家族への誹謗中傷にまで事は発展し、ウェストブルックの妻ニーナは脅迫・恐喝被害に遭っているといいます。
3月8日(現地時間7日)に行われたサンアントニオ・スパーズ戦後、メディアの前に姿を現し、選手としてではなく一家の大黒柱として心の声をついに挙げました。
僕は妻を全力で支え、彼女が感じている気持ちをサポートする。バスケットボールの話題は正直気にしていない。でも、自分の“名前”が貶されるのであれば、それは黙ってはいるわけにはいかないんだ。
今までは気にならなかったから、放っておいた。でも、この前は本当に衝撃を受けた。僕と妻が息子の保護者面談に参加した時のことだ。その時、先生は僕たちにこう言った。『(息子の)ノアくんは、彼の苗字を誇りに感じています。彼はどこにでも、何にでもそれを書くんです。僕は“ウェストブルック”だ、とね』……僕はショックのあまり、その場に座り込んでしまった。最悪だよ。これ以上、家族の苗字を中傷するのは許せない。
ウェストブルックは最近の不調と貢献度の低さを揶揄され、ファンから「Westbrick(ウェストブリック)」という不名誉なニックネームが付けられてしまいました。ウェストブルックが明かした悩みはこの呼び名のことであり、恐らく彼の息子も過度な名前いじりでいじめの対象になっているのかもしれません。
試合を観に行くことができなくなってしまったよ。大好きな試合をしている父が意味もなく不名誉なニックネームで呼ばれているのを聞かせたくないから、子どもたちを会場に連れて行くのも嫌になるんだ。最近はそれが顕著になり、僕の家族はホームゲームにも行きたがらなくなってしまった。最悪だし、残念極まりない。僕はこの問題に取り組み続けるつもりだ。とにかく悲しいよ。
このウェストブルックのコメントを受けて、レイカーズの元球団社長のマジック・ジョンソン氏は、ファンにサポートを呼びかけました。
先日まで、
「メディアと戦うな」
「もし我々がプレイインゲームを突破することができなければ、
(ウェストブルックの)このトレードはレイカーズ史上最悪のトレードになるかもしれない」
など批判的なコメントしていたマジック・ジョンソンも家族まで被害を受けている状況を見かねたようです。
レイカーネーション。
一致団結し、ラッセル・ウェストブルックと彼の家族をサポートするのは我々の責任だ。
ウェストブルックの家族に対する脅迫と攻撃はまったくをもって受け入れられないし、許容されることではない。
スポーツの世界においてそのような行為があってはならない。ラッセルのプレイはレイカーズにおいて重要な役割を果たしている。
残りのシーズンとNBAプレイオフで成功するための重要な鍵になるだろう。ウェストブルックの家族の味方になり、彼らをサポートしよう。
辛い時期こそ選手や球団はファンのサポートを必要とし、立ち直る原動力となるものです。困難を乗り切るために、レイカーズは今こそ、真の意味での団結を示さなければならないはずです。
ジョンソンの訴えがレイカーズファンに響くかは分からないですが、ウェストブルックの悲痛な訴えがジョンソンの心を動かしたのかもしれません。
過度な誹謗中傷はこの世からなくなることはまずないと思いますが、ウエストブルックがこの批判を跳ね返せるほどの活躍を祈るばかりです。
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