子どもを育てていると必ず一度は耳にするのが「小4の壁」または「10歳の壁」という言葉。
学校の勉強が難しくなることや自我が芽生えた子どもが反抗的になるなど、どちらかと言えば負のイメージが大きいですよね。
新学期を控え、これから子どもが小4の壁に差し掛かろうとしていると、「小4の壁ってどんなもの?」と気になり周囲の先輩ママに話を聞く方もいるかもしれません。
今回は、小4の壁で実際に起きたエピソードを交えて対策をご紹介していきます。
小4では「独立心を育てる機会」と「親子の対話」を増やす
小学4年生頃になると、個人差はありますが親の言うことを素直に聞かなかったり、反抗的な態度を取ったりするようになります。
自我が芽生えるなど思春期に向けた心の成長とも言えますが、親にとってはかなり大変な時期を迎えます。
実際に小4のお子さんがいる家庭の話を聞くと、小学4年生前後から言い訳をしたり反抗することが増えたという声が多いです。
素直にアドバイスを聞いてくれないなど、親の方もストレスが溜まります。
このまま「もう何でも自分で決めなさい」と突き放すこともできますが、やはりまだまだ子どもです。
強気な態度を見せていても内心不安を抱えています。
ある家庭では、大人への階段を少しずつ上がってきている子どもへの接し方を変えることにしたそうです。
親からの指示ではなく、子どもの意見を聞いて「それならどうしようか」と一緒に考えたり考えさせる機会を増やしたりし、やるかやらないかは本人に任せることにしたのです。
決断を任された子どもは、自分の責任を感じるようになり、精神面が強くなります。
もちろん、失敗することもありますが、子どもの意志を尊重し決心させる経験を積ませていきました。
「小4の壁は算数?」
算数が得意な小学3年生の生徒の話をしましょう。
計算スピードもあり、クラス内では「算数が得意な子」と認識されているようで、子どもだけでなくお母さんも「とくに算数がよく出来る」と口にしていました。
得意科目があると、自己肯定感も高くなるものです。
ただ、状況が一変したのは塾で小数の計算を学び始めてからでした。
足し算は普段通り解けたのですが、小数の繰り下がりのある引き算から雲行きが怪しくなったのです。
小数点の引き算の解き方は「整数の繰り下がりと同じ」だということを教えるとスラスラ解けるようになりましたが、続くかけ算と割り算の決まり事を理解することが難しく、間違えが続くことも。
小学3年生までに四則計算を学びますが、それ以降は学んだ計算方法を利用して分数や小数を勉強していきます。
それまでの整数とは解き方が異なるため、「うちの子は算数が得意だから平気」と思わずに単元テストの結果を今まで以上に気をつけて確認してください。
小さな躓きを放置しておくと、挽回するのに時間がかかります。理解が足りていないと感じたら、すぐに家庭で復習するようにしましょう。
理科と社会も勉強する時間を設ける
小学3年生になると、理科と社会を学ぶようになります。
最初は身近な自然や町の様子などを授業を通じて学習するため、あまり勉強要素は強くありません。
しかし、小学4年生以降になると中学での学びに繋がるような内容になり、覚えることも増えていきます。
そのため、小学4年生の時に理科と社会を軽視していると挽回するのに大変苦労します。
学年が上がってから巻き返すのが難しくなるのは、二教科とも子どもの興味関心で学習意欲が左右されやすいからです。
小学4年生になると自分の好き嫌いがハッキリしてきて、教科や単元を勉強する時のモチベーションに温度差が生じてきます。
小学生の頃から理科と社会も勉強するのは学校の授業だけという状況を作らず、市販の問題集や学習漫画を上手に活用し、知識を増やすように準備しておきましょう。
そうすることで、中学進学後の学びも楽になります。
「小4の壁」親にとっては試練
・それまで学校でのことを何でも話してくれた子が、あまり話をしなくなった。
・テストの結果について話すと子どもとケンカする回数が増えた。
・学校の勉強が難しくなり自信をなくしている。
小学4年生になるといきなりこういう事態が起きるわけではありませんが、小4の壁は大きくそびえ立っています。
そして、それを乗り越えるべく子ども自身ももがき苦しんでいます。
反抗的で言うことを聞かなくなった我が子が、時には憎らしく思えても、一人で困難に立ち向かうにはまだ力が足りません。親の支えは必要です。
学校の学びも難しくなり、精神面も変化の時を迎えます。
これまで以上に学習の躓きがないか確認をしつつ、親子関係を見つめ直していきたいですね。
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