日本人は、中学時代から6年以上英語を学んでいるにもかかわらず、その英語力はアジア28カ国の中でほぼ最下位…という状態が長年続いています。
その結果を受けてか、近年では幼稚園教育から大学まで英語教育の強化を図る体制が強化されてきたように思います。
しかしそれでも日常会話で英語を話せる人はごく僅かです。
何故日本の英語教育は依然として世界的にレベルが低いのか1つ1つ解説していきたいと思います。
音声学習とアウトプット機会が十分ではない
私たちは幼少期から日本語を耳で聞き、1つ1つ日本語を利用して話す機会が日常的に設置されているため少しずつ日本語を覚えていくようになりました。
思春期に入る頃に日本語の基礎が完成し、思考力も発達した後で、”使える言葉”としての外国語学習を始めるのであれば、音声学習のフォローは必須です。
聴くことをベースに、”読む”・”書く”・”話す”を、適宜組み合わせながら、母語の運用能力との差をスピードを上げて縮めていかなければなりません。
しかし、日本の中高での英語学習では、英文和訳の練習を講義スタイルで行う授業が未だ主流です。
日本語中心に置き換えて学んでいる限り、英語についての知識は身についても、英語を英語のまま理解して、即レスポンスが取れる能力が上がっていくことは考えにくいものです。
もっと、音声学習をふんだんに取り入れ、限られた授業時間だけでは不足する部分について、個人的な学習のフォローを効果的に取り入れていく環境を整備する必要に迫られています。
教育体制に一貫性がない
確かに幼少期から英語を学ぶ環境は整備されたように思いますが、内容についてはまるで一貫性がありません。
小学生
アルファベット・英単語・発音に慣れることを目標としています。 また、英語によるコミュニケーション力を重視し、『会話しましょう』ということに重点をおく。
中学生
英文法、長文になれる、1つも間違えないようにスペリングに重点をおく。
受験が近づいてくると受験の問題について勉強内容が変わっていく。
高校生
英文法を理解し、英文構造の把握、長文を論理的に読むことを目標としますが、大学受験が近づいてくると翻訳がメインになっていく。
それぞれのカテゴリーで将来大人になった時に、英語を話せるようになろうという目標に対しての勉強内容になっていないので、この一貫性の無さが会話できる人間が育たない1つの要因と考えることができます。
教える側が無能
日本では中学校の先生・高校の専門の先生であっても、その8割ほどがTOEICスコア780点に満たないと言われています。
平成29年度「教育実施状況調査」によると、
英語担当教師のうち、英検、TOEIC、TOEFLなどの英語能力に関する外部試験によりCEFR B2レベル以上のスコアを取得しているものは、
中学校:33.6%
高校:65.4%
という結果となっています。
そもそも教えられる人材が確保できていない現実があるのです。
英語の教育を日本語で学習するということも身につかない1つの原因であると思います。
英語力の高い日本人講師が英文法や英文の解説を行い、外国人講師から本場の発音や表現を学べるというのが理想ですね。
どうすれば英語能力は上達するのか
正直話せるようになるには今の日本の英語教育は限界があると感じていますし、一時期流行った駅前留学や、アプリなどを利用するツールなどで話せるようになった人はごく僅かなのではないかと思います。
海外などの映画やドラマは日常的に普通の人が話す話し方をしています。その話し方を聞く癖を身に付けるといいでしょう。
逆に、TOEICなど関係なく「英語が喋れるようになりたい」というのならば、英語圏の国に住んでしまうのがいちばん手っ取り早いです。
現地の言葉を使わないと生活できない環境にいることで人はより吸収力が高くなります。
その環境に浸ってしまうのが一番です。
海外留学は安いとこでは20万円ほどで1ヶ月英語学校に通いながら暮らせることができます。
「今はコロナ禍だし、留学なんて無理」という人は、オンラインで外国語ネイティブ人と会話をするサービスを利用するという手もあります。
このときに大切なのは、日本語が使えない環境に自分を置くこと。
ほかに日本人がいない状況で、日本語ができない人とだけ会話できるタイプのものがいいと思います。
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