できればあまり話を聴きたくない人って、どうしてもいますよね。
次に挙げるのは、三大「話を聴きたくない人」ではないでしょうか。
(1)自慢話が多い人
(2)高圧的な態度で話す人
(3)ネガティブな話をする人
不思議なことに、経験上、この手の話をする人は「少しだけする」って人はあまりいません。
ものすごくする人か、まったくしない人かに二分される気がします。
いずれにしても、この3つのタイプは間違いなく面倒な人、やっかいな人なので、「できれば関わらずに逃げる」というのが戦略として正しい、ベストな一手だと思います。ただ、上司だとか、会社の先輩だとか、取引先だとか、そうはいかない場合もあると思いますので、対策をお話ししたいと思います。
「自慢話が多い人」への上手な対処法
このタイプに対処するには、「なぜこの人はやたらと自慢話をするのか」という根本の理由が見えないとうまくいきません。
やたら自慢話をするのは、なぜか。
「誰かに自分を認めてもらいたい!」「まわりから褒めてもらいたい!」という気持ちが強いからです。
これは先述した「承認欲求」と、それから「自尊感情(自分自身を価値ある者だと思う感覚)」に起因します。
なぜ、私を褒めてくれないんだ!
私はすごいんだから認めてくれ!
と、承認欲求がカラッカラ、自尊感情がジャブジャブの状態で発射されるのが自慢話砲なのです。
ということがわかると、恐れることは何もありません。対処法もシンプルです。
「あなたは価値のある人間ですよ」ということを伝えてあげる。それに尽きます。「おぉ! それはすごい!」などとわかりやすく驚いたり、大きくうなずいたりすれば、相手は「自分をわかってくれた!」「自分を認めてくれた!」と思い、「余は満足じゃ」と、やがて自慢話が終わっていきます。
「高圧的な態度で話す人」への上手な対処法
じつはこのタイプも、自慢話人間と同じく「承認欲求」と「自尊感情」がカラッカラ、ジャブジャブな人です。
この手のタイプは、普段から相手にプレッシャーをかけたり、他者を委縮させたりするような態度で生きているため、人が寄ってきません。なのに、「認めてもらいたい」「褒めてもらいたい」という気持ちが強烈なので、とてもやっかいといえます。
このタイプには、怖がらずに近づき、シンプルに褒めてあげる、の繰り返しが効きます。容姿、学歴、能力、なんでもかまいません。褒められ慣れていないので、最初は照れたり、場合によっては怒ったようなリアクションをしたりしますが、心の中ではニンマリ。
ただ、すぐにカラッカラ、ジャブジャブになるので、一回では事足りません。何度も繰り返していきます。
すると、態度が変化していきます。なぜなら「もっと褒めてもらいたい」と切望すると同時に、「あんまり高圧的な態度でいると、これ以上褒めてもらえなくなるかもしれない」という危機感をつのらせ、自分を褒めてくれる人に対しては、高圧から、低圧へとしだいに軟化していきます。
「ネガティブな話をする人」への上手な対処法
このタイプは、3つの中で一番、複雑系です。
ネガティブな話を聴かされると、イライラするし、ストレスを感じるし、思わず「そんなふうに思わなくてもいいんじゃない?」「こんなふうに考えたら?」と、アドバイスしたり、諭したりしたくなることが多いのではないでしょうか。
しかし、それらは最もやってはいけない対処法です。むしろネガティブ増し増しにしてしまう危険性があります。
なぜか。こういうタイプの人は、自分の感じていることを否定されたくないため、アドバイスされたり、諭されたりすると、
「自分のことを全然わかってくれない」
「この人は自分にまったく寄り添ってくれない」
となってしまうからです。
これを避けるためのポイントは2つ。
(1)まず助言したり諭したりするのをやめ、ひたすら聴く、
(2)そして理解に努め、共感を示す。
助言することをやめ、聴き役に徹すると、
「どうしてこの人は、そういう思いになるのだろう?」
「なぜここまで否定的に物事をとらえるのだろう?」
というふうに、むしろ興味がわいてきます。
すると、相手のネガティブな話にイライラしたり、ストレスを感じたりすることが少なくなっていきます。
そうなると、不思議なことに、相手のネガティブな話に理解できる部分が出てくるようになるのです。そして、その理解した部分を「こういうことなんだね」と伝え、共感を示してあげるのです。
すると、「ちゃんと伝わった」「わかってくれた」という満足感、安心感が相手の中に生まれ、ネガティブ話は終焉を迎えます。このタイミングで、なるべくポジティブな話題に切り替え、会話をいい方向に持っていけばいいのです。
三大「話を聴きたくない人」への対処法について述べてきましたが、とはいえ、正直にいうと、こういう面倒なタイプ、やっかいなタイプの人とつきあうのは疲れるし、エネルギーを消耗します。
ですので、最初のほうでいったように、できるだけはじめから関わらないで済むように「逃げの一手」をうまく打つのが、やはりベストな戦略だと思います。
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